暮らしている地域からはウナギの多い汽水域が遠いので、近場でウナギが釣れるポイントが欲しい
河口、汽水域でウナギを狙って釣るのは簡単です。夏の夕方から夜にかけて糸を垂れていれば大小はありますが何匹かは掛かります。
仕事終わりにチョロっと川に寄ってウナギ釣り、なんてのは憧れますね。
しかし私の住む地域はそんな場所とは真逆の山沿いの街。近くを流れる多摩川にはいくつもの大きな堰堤があり、上流に行くにつれてウナギが釣れる確率は低くなっているのが現状です。
昔はこの辺でもウナギ釣れたよ〜なんて話はよく聞きますが、今は釣れないね〜が現実。
山の中にある川でもウナギは獲れます!って所があるのも知ってますが、残念ながら私の暮らす周りの川はそうではないようです。
しかし、釣りなんてのは実際にやってみないとわからない場合がほとんどなので、春から秋までをワンシーズンとしてその期間をウナギ狙いに賭けました。
近場の定義ですが、憧れである仕事終わりにチョロっとの観点から原付バイクや車で自宅から20分以内を範囲にしました。
また、多摩川水系だけでなく他の水系の川も視野に入れてウナギ調査を開始しました。
春の訪れが微塵も感じられない多摩川の水温に辟易して、いろんな川でも調査!
多摩川上流にはダムがあり、そこから流れてくる水は大変冷たくヤマメなど渓流魚には向きますが、ウナギとなるとやはり水温が高いほうが有利なので調査を始める前からこの川での成果の程は難しいだろうと予測はしていました。
なので多摩川での調査を進めつつ他の川でもウナギ狙いで釣行を決めました。
ウナギを釣るタックルは安物パックロッド。ぶっ込みで狙う仕掛けは単純。
ウナギを狙うにあたり、竿やリールはなんでも構いません。何なら糸とハリとオモリだけでも釣りが成立するでしょう。
私は車で通勤するときもあれば、原付バイクで職場に行くこともあるので、リュックに入るくらい小さくなる短い振出し竿二本で釣行しています。
リールも適当。3号のナイロン糸が70mほど巻いてあるボロいスピニングリールを使っています。
もし、手元に余ってる竿やリールが無ければ安物で十分ですので買ってください。
パックロッドは糸も巻いてあるのでスグに釣りができます。また、ターゲットは変わりますがカサゴなんかを釣るときに穴釣りでも使い勝手がいいのでワンセットあると便利です。
今回のウナギ調査の釣り方はぶっ込み釣りになります。8〜10号のナツメオモリを道糸に通してサルカンを結び、ウナギ針付きのハリスをそれに付けたシンプルな仕掛け。ハリスは4号くらい。ハリはウナギ針なら12号前後。
ハリス付きのウナギ針は釣具屋さんで徳用で売ってる沢山入ってるやつがオススメ。ウナギの棲家は石周り。どうしても根掛かりするので予備の針はいくつあっても困りません。
また、忘れて困るのがアタリを知らせてくれる鈴です。竿先に付けて使います。魚がエサをつつくとチリン♪となるので、暗い川で一人でいてもこの鈴の音に勇気づけられます。
エサはミミズが有ればいい。
続いてエサですが、淡水域でウナギを狙いますのでミミズだけ有れば充分かと思います。潮の満ち引きが影響する流域ならばイソメ類でも釣れます。
また、ミミズの中でも自分で採らなければ揃わない天然ドバミミズと釣具屋さんで買える、養殖のキジがあります。
天然ドバミミズは腐葉土や、枯葉の下にいます。しかしスコップとバケツを片手に公園に行けば簡単に採集できるかというと、そうではないことも多いです。
ドバは居るところにはいますが、いない所にはホントにいないです。自分で探してエサ採り場を見つけましょう!
公園や緑地沿いにある枯れ葉で埋まったU字の側溝は特に狙い目です。
売っているミミズで一番太いのは、大関という商品。太くて生きもイイのでウナギ狙いには最適!もちろん、渓流釣りで大イワナを狙うときなどの特エサにもなります。
【渓流釣りの定番】ミミズ 大関 17個セット 釣り餌 イワナ 山女魚
この大関の大ミミズですが、釣具屋さんでは欠品していることも多いです。
そんな時は熊太郎という商品の太虫バージョンで代用します。太虫と言っても所詮はキジなので、天然ドバや大関に比べるとかなり細いですが実績は中々のもの。特に2匹掛けにして使うと有効です。
【渓流釣りの定番】ミミズ 熊太郎 スーパー 5個セット 釣り餌 イワナ 山女魚対応
冷蔵庫に保存しておけば比較的長くもつし、渓流釣りでも使うのでシーズン中は2、3パックをストックしておきます。
私の経験上、天然ドバミミズと市販のミミズどちらでも同じくらい釣れます。天然ドバミミズの利点としては餌代がかからないくらいでしょうか。
意外に天然ドバミミズはデリケートなので、冷蔵庫に入れて保存してもあまり日持ちしませんし、外の枯れ葉や泥と一緒の容器に入れておくようなので、衛生面でも良くありません。
大きな発泡スチロールに枯れ葉や土を入れて温度管理等がよくできる環境であればいいでしょうが私の場合、アパート暮らしのためそこまで到底できません。
一方、市販の熊太郎は養殖ミミズなのでこう言っちゃなんですが、清潔です。使い切らずに余らせてもジップロックみたいな袋でちゃんと閉じれば平気で半年は元気で生きています。
ただし、ちゃんと封をしないと僅かな隙間からでも脱走しますので注意!冷蔵庫の中がミミズだらけになります。
昔、子供の頃、冷蔵庫で脱走したミミズが皆んなキャベツの葉の内側に入ってしまって、それを包丁で切った母が発見。家の中で轟く悲鳴…言うまでもなく大目玉を食らいました。
私は釣ってきたウナギを飼っていた事があります。ソイツのエサにはいつも熊太郎を使っていました。
ミミズの他には川でガサガサをして獲れたシマドジョウやカジカ、ハゼの仲間も使いました。
私は試していませんが、人に聞いたウナギ釣り最強のエサはヒル。田んぼにいる、血を吸うあのニクイ奴です。このエサは淡水域、汽水域に関わらずよく釣れるエサらしいですが、中々採取する機会が得られなかったので諦めました。ヒルが手に入れられる方は是非お試しください!
ポイント探しは地道に実釣。少しでも気になる所があるなら竿を出してみよう。
情報ゼロから探っていったので、調査初期に釣りポイントの基準になったのは、通勤途中やドライブ道中に目に付いたウナギが居そうな流れや、小河川である。
ウナギオフシーズンである冬の間にアンテナを張り、ポイントになりそうな所を逐一Googleマップにラベルしていました。
主に橋の下やテトラ帯、堰堤などウナギの潜んでいそうな所をマーク。ついでに車やバイクが停められるスペースの有無も確認しました。
目星を付けた所をしらみ潰しに釣りをしていくわけです。仕事終わりに釣りなのでやっても2時間程度。
21時位を目処に、全くアタリもないような場所ならもう行かず、逆にナマズなどの外道が釣れるようならば別日に何回か再調査するといった具合。
以下はその一部⬇︎
基本、短時間の釣行ですがホント色々な場所で竿を出しました。しかしウナギは釣れず外道の実績を築くばかり。次の項ではウナギ狙いで掛かってきた数々の外道達を紹介します。
ウナギ狙いで針に掛かる外道とは?
ハヤ(ウグイ)
多摩川上流域ではハヤが多いです。ミミズはもちろん、上の写真の様に餌取り対策で小さなカジカやシマドジョウをエサにしても食ってきます。
食べてみましたが、小骨が多くパサパサしてあまり美味しくはなかった。
ギバチ
コイツもマジでよく釣れます。多摩川上流域では入れ食いです。しかも針を飲み込んでしまうことも多いので厄介な外道。ヒレの一部に毒針があるのでそれに注意して触れましょう。
あまりにも釣れるので持って帰って食ったこともあります。蒲焼きにしましたがマズかった。
ニジマス
一応渓流魚ですが、夜の置き竿でも掛かります。立て続けに釣ったこともあります。うれしい外道。
カマツカ
カマツカ、愛嬌のある顔です。食べたことはない。
ナマズ
河川の下流部に住むイメージでしたが随分と上流で釣ったこともあります。その時は水の綺麗な所でしたので、食べようか迷いましたが子持ちっぽかったのでリリースしました。
引きは強く、釣り味万点!ナマズが釣れるとウナギもいるんじゃないか⁉︎と思わせる存在。
スモールマウスバス
針にかかるとジャンプしたり、引きも強烈なので楽しい外道。ムニエルして食べましたがニジマスよりも美味いです。水が綺麗な所にいる奴を鮮度を保って持ち帰るなら臭みも無いです。
コイ
コイもたまに釣れます。
フナ
夜釣れるフナは比較的大型が多いです。
ニゴイ
スッポン
食える亀です。鍋にしたら美味かった。
外道と言えど何かしら釣れれば楽しいものです。私は淡水魚が特に好きなので飽きません。
シーズン終盤、遂にウナギが釣れた
ポイント探しから始めて、ミミズを掘り、外道を釣りまくり、時には夜の河原にたむろする若者達の奇声に怯えながらも、続けてきた近所のウナギ調査も秋を迎えシーズン終盤に差し掛かってきたある夜、遂に私はウナギを釣った。
10上旬、天気予報では次週に大型台風の上陸が控えていたのでシーズン最後のウナギ釣りになるだろと思っていました。
テトラ際の浅場にぶっ込んでおいた熊太郎に食い付いたのは紛れもなくウナギ!
この日私は原付バイクで釣行していた。多摩川上流で初めて釣ったウナギを持参したビニール袋に水と一緒に入れて密閉し、生きたまま直ぐに持って帰った。
家に帰りまずはユニットバスの湯船に水をためてウナギを放った。
ウナギは掴んでもヌルヌルとその力強さで逃げ惑うので、釣ったあとはハリスを20センチほど残して切れば後が楽。
一通り釣って持って帰ったウナギを観察しきった後、調理に取り掛かった。
捌いて串うち。焼いてタレを塗りまた焼く。美味しそうな蒲焼きができたが、ある種の川臭さもある。
食ってみると、脂のノリはハンパない。とても脂っこい。それはいい。しかし後からくる川原の石ころのような匂いが鼻を抜けると、とても美味い!とは言い難い。
半年以上追いかけて、これだけ苦労して釣ったウナギ。美味かったと嘘をつくのは簡単だ。しかしここは敢えて正直な感想を書きたい。多摩川ウナギはマズイと。
調理の仕方は今まで釣って食べた汽水域のウナギと変わらないのだ。それらは美味かった。ウナギ屋で五千円払って食う鰻重なんか比べ物にならない位美味かった。
しかし何故だろう。この完全なる淡水域で釣った多摩川のウナギの臭さには耐えられない。我慢して全部食べたが、、、
やはり泥抜きが必要だったか?ヌメリの取り方が甘かったか?蒸らした方が良かった?もっとジックリと焼けば良かった?
課題は募るばかりだ。ウナギが釣れるポイントを見つけたので次は、いかに臭いウナギを美味しく食べられるか⁉︎が課題になりました。それはまたいつか記事に出来たらと思います。
今回のウナギ調査はとても有意義なものになりました。最後の最後に本命のウナギが釣れたのはもちろんですが、それ以外にも想像もしなかったあらゆる魚に触れ合えたし、魚釣り的経験値は跳ね上がったと言えるでしょう!
確実さを突いて釣果の堅い釣りもモチロン楽しいですが、ゼロから築き上げる探検的な釣りもいいものです。
今回ブログの調査の結論としましては、ウチの近所でもウナギは釣れる!です。ありがとうございました。
コメント
谷地川行かれたんですね。自分も時々通りがかって見るので、気になっていました。
あそこは近隣にゴルフ場や、馬の飼育をしている場所などがあるので食べるのはあまり 適さないかもしれません。
…私も川が好きで水の中に潜って魚を観察したり、釣りもしていた事もあるので、
(最近は水の中で命を繋ごうと精一杯生きている魚たちを傷つけるのに罪悪感を感じてしまい、あまりやっていませんが)
私は多摩地域に住んでいるので、東京近郊の川がどういう場所なのか気になって色々見ているうちにこちらのページ拝見させていただきました。
写真も多くデザインも綺麗でとても見やすいページですありがとうございます。
魚の味で言えば、ぼうずコンニャクの市場魚図鑑というサイトには、かなりの種類の淡水魚の味や旬、調理法等、様々な情報が載っていて非常に面白いです。 ご興味ありましたらどうぞ。
コメントありがとうございます!
川好きな方にこのブログを見て頂き、そう言ってもらえると、とても励みになります!これからも出来るだけ読んでもらえるような記事を書いていきたいです。
谷地川については少し中途半端な調査になってしまいましたが、また追記したいと思っています。水質的なご意見については参考になりました。ありがとうございます!